こども相談室
第30号 解熱剤を使うタイミング・乳児の嘔吐
解熱剤はどんな時、使ったら良いのでしょう。
解熱剤は熱による苦痛を一時的に取り除くものであり、熱を治す薬ではありません。熱は体の中に進入したウィルスや菌に対する体の防衛反応です。熱が38.5度以上で、水分や食事が取れない時や、熱の為つらく眠れない時などに使います。熱を下げ水分や食事がとれるようにタイミング良く使いましょう。解熱剤を使う時は医師に処方された薬、又は許可された薬を、指示された量や時間間隔を守って使いましょう。
激しく咳をして止まりません。咳き込んだ時、吐いてしまいました。どうしたらよいでしょう。
咳は痰が気管から出にくくなっている時や、部屋が乾燥している時も咳を誘発します。痰は水分が多くなると軟らかくなって出やすくなります。加湿器や室内に洗濯物を干すなど、加湿すると効果があります。水分も少量ずつ、回数多く飲ませます。咳をしてお腹に力が入り、吐いてしまうことがあります。食事は消化のよいものを少なめに与えます。咳のたびに嘔吐する場合や苦しそうに呼吸している時は、受診しましょう。
急に吐き出しました。脱水症になるのが心配です。何を飲ませたらよいのでしょうか。
乳児の胃はとっくりのような形で、胃の入り口の逆流を防ぐ筋肉が未熟で吐くことがよくあります。他の症状がなく水が飲めて、元気な時は様子を見ます。吐き気が続く時は、無理に水分や食べ物を与えず、胃や腸を休ませます。吐き気が治まったら、湯冷ましやイオン飲料、経口保水液(湯冷まし1ℓに砂糖40 g、食塩3gをかき混ぜて飲みやすい温度にする)をひと口かふた口与え、吐かないことを確かめましょう。そのあと、いつもより少なめに与えます。離乳食は一時中止し、母乳、ミルクで様子をみます。食事の場合、お粥、うどん、白身魚など、いつもの半量からはじめましょう。短時間に嘔吐を繰り返す時、吐いたものに血液や胆汁(黄色や緑色の液)が混じっている時、下痢や高熱があり、ぐったりしている時は、受診しましょう。
(千葉県小児救急電話相談 石原 富子 相談員)