こども相談室
第37回 ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナとはどんな病気ですか?
高熱とのどの痛みがでる夏かぜの一種です。乳幼児の間で流行し、38〜40℃の高熱が2〜3日続きます。のど・のどちんこのまわりに赤い粘膜疹や水疱(口内炎)ができ、のどを痛がって食欲定価をきたし、流涎(よだれ)がみられるようになります。高熱とのどの痛み以外は症状が軽く、あまり心配することはありません。けいれんなどの症状がなければ、救急受診でなく翌朝受診すれば大丈夫です。解熱後、のどの痛みも次第におあさまります。まれに無菌性髄膜炎や心筋炎の合併例が報告されています。大人もうつります。
原因はなんですか?
原因の大部分は、エンテロウイルスの中のコクサッキーA型ウイルスによるものですが、コクサッキーB型ウイルス、エコーウイルス等でも起こります。感染経路は接触感染と飛沫感染で、急性期はウイルスが多く排泄され感染力の強い時期です。潜伏期間は通常3〜6日です。
治療法・予防法は?
特効薬はなく、通常は対症療法のみで、発熱などに対して鎮痛解熱剤を用います。いかに痛い喉に水分と食事をとらせるかがポイントです。時には脱水に対する治療が必要なこともあります。
予防に関しては、ワクチンなど特異的な予防法はなく、感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手洗いを励行することなどです。
どのようなものを与えたらよいですか?
口内炎により、よだれを飲み込むのでさえ痛いものです。牛乳やミルク、アイスや冷たいスープ、さましたおかゆやうどん、豆腐(醤油なし)、プリン、ゼリーなど水分や軟らかくのどごしのよいものが良いでしょう。1回量は少なくても回数を与えるよう努力しましょう。
登園・登校は可能ですか?
熱が下がり、のどの痛みもとれて、食事も含めて普通の生活に戻ってからです。かかりつけ医の許可を得てからの登園・登校がよいでしょう。
(千葉県小児科医会 理事 黒崎 知道 医師)