こども相談室
第41回 おむつかぶれについて
おむつかぶれは、どの赤ちゃんも一度は経験する皮膚トラブルといえるでしょう。毎日何回も取り替えるおむつ。そのたびにおしりが痛そうなのは、かわいそうですね。
原因は?
1. 尿や便の刺激による皮膚炎
おむつかぶれの原因は、多くの場合、尿や便による接触性皮膚炎です。付着した尿や便の刺激により、皮膚が障害されておこる皮膚炎です。今の紙おむつは尿の吸収がよく、尿のむれによる皮膚炎などは、かなり減ってきました。
2. 誤ったスキンケアによる皮膚障害
便の回数が多い新生児期や、下痢で頻回の便が出るときなど、おしりをふくたびに表皮がはがれて、、時には皮膚がはがれたような状態になってしまうときもあります。
3. 真菌による皮膚炎
便の中にはカンジダという真菌が住んでおり、弱った皮膚にカンジダが繁殖して、真菌性皮膚炎をおこすことがあります。
予防、治療は?
1. 便や尿がついた皮膚は、おしりふきなどでこすることでかえって悪化することがあります。便のあとは、シャワーで洗うとよいでしょう。石鹸を泡立てて、あまりこすらないようにして汚れをおとしてください。毎回洗うのが大変であれば、洗面器などにぬるま湯をくんで、脱脂綿を濡らして洗い落とすようにしたり、洗剤の空ボトルなどにぬるま湯をいれて、洗い流すようにするのもよいでしょう。その後、柔らかいタオルで押さえるように拭きます。
2. おむつかぶれに使う軟膏は、亜鉛華軟膏などの、撥水力の強い軟膏が適しています。皮膚がしっかり保護されるように、たっぷりべったり塗りましょう。
3. 真菌性おむつかぶれは、皮膚が赤くただれ、赤い発疹ができます。赤い皮膚の周囲はうっすらと皮がむけたような状態になります。周囲に衛星病変といわれる発赤疹(ぶつぶつ)が拡がるのが特徴です。通常のスキンケアでは改善しません。抗真菌剤の軟膏を皮膚科や小児科で処方してもらって、塗布する必要があります。
(千葉県小児科医会 理事 原木 真名 医師)