こども相談室
第45回 子どもの鼻血
子どもの鼻血はどうして出るの?
鼻の粘膜は血管が豊富にあるため、身体の中で最も出血しやすい部位のひとつです。鼻をぶつけたり、こすったりしただけで鼻血が出てしまうこともあります。頻回に鼻血が出る場合、アレルギー性鼻炎や風邪の時に起こる急性鼻炎、副鼻腔炎といった鼻の病気が隠れていることがほとんどです。お子さんがよく鼻血を出す場合、もしや鼻が悪いのでは…と発想し、耳鼻咽喉科で鼻の病気の治療をしましょう。鼻の病気が治り、鼻の中の状態がよくなると、鼻血は止まることがほとんどです。
鼻血はどこから出ているの?
鼻の入り口付近の内側に、毛細血管がたくさん集まった部位(キーゼルバッハ部位)があり、子どもの鼻血のほとんどはここから出血しています。鼻血を止めるときには、ティッシュや綿球を鼻腔に詰め、両方の小鼻を外側から内側に向かって10分~20分圧迫するように強めに押さえます。ティッシュや綿球から血がにじみ出てきてしまった場合、ティッシュや綿球を取り替えてしまうと、刺激でまた出血してしまいますので、ボリュームのあるティッシュや綿球を一度入れたら、なるべく取り替えないようにして10分間以上強めに圧迫してください。
鼻血はどんな時に出やすいの?
暑い所にいたり、興奮したり、生理的に血圧が上がる朝に出血しやすくなります。また、鼻をすすったり、こすったりしても出血します。鼻血を止める時には、涼しい環境を作り、頭を高くしましょう。
心配な鼻血はないの?
稀ですが、子どもでも鼻の腫瘍から出血することもあります。また、白血病などの血液の病気で鼻血が止まりづらくなる場合があります。頻回にでる場合※や止血に30分以上かかる鼻血は、早めに耳鼻咽喉科を受診して検査をしてもらいましょう。
※ 鼻をぶつけた、風邪をひいてたまたま数日鼻血が出た…という、偶発的な鼻血ではなく、日常に支障があるような鼻血のことを指します。
(千葉県医師会 浜野 ナナ子 医師)