こども相談室

2014年3月10日

第48回 揺さぶられ症候群

揺さぶられ症候群とは?

赤ちゃんの体を揺さぶることが原因で重大な脳障害を来すものです。ただ、その揺さぶりは、通常のあやす程度のものではなく、「誰が見ても危険だ」と思うほど激しく揺さぶられた時に起こるものです。6か月未満の乳児が特に危険です。乳児は相対的に頭が重く首の筋肉が弱いため、強く揺さぶられると頭を支えることができません。そのため、強く揺さぶられた場合、頭蓋骨の内側に脳が何度も打ち付けられ脳の損傷と脳内出血を起こし、さらに網膜出血も来します。その結果、知能障害・視力障害・脳性麻痺・てんかんなどの重大な障害を残し、死亡することもあります。
2002年からは、ゆさぶられ症候群の危険性について、母子手帳にも記載されています。

 

 

どんな時に起こりやすいか?

強く揺さぶられたあとに、下記のような症状が現れた場合には、可能性があります。
◎元気がない ◎不機嫌 ◎嘔吐 ◎顔色が悪い ◎寝てばかりいる ◎痙攣 ◎意識が低下している
その時は直ちに病院を受診してください。

 

 

予防のためのポイントは?

人に赤ちゃんを見てもらうときは、揺さぶられ症候群のことを伝えましょう。
赤ちゃんが泣き止まないとき、上手く対応できないこともあります。その時には、おむつを替える、抱っこやおんぶをしてゆっくりと赤ちゃんを揺らす、痛いところや熱がないかチェックする、一緒に遊ぶ、お気に入りの物を見せるなどを試してみましょう。それでも泣き止まないときには、一度冷静になり、安全な場所に寝かせて様子を見たり、友人に相談してみるのもいいでしょう。かかりつけ医に相談してもいいと思います。どんなに泣いていても必ず泣き止みます。心を落ちつけて、激しく揺さぶらないように心がけましょう。

 

 

(千葉県小児科医会 玉井 和人 医師)

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