こども相談室
第49回 水痘(水ぼうそう)について
水痘の症状と注意点
水痘は、水痘帯状疱疹ウイルスの感染によっておこります。赤い発疹が体や顔、頭皮にでき始め、水疱となり、数日で体中に広がります。潜伏期は14 〜21日で、全部の水疱がかさぶたになるのに、大体1週間くらいかかります。そのかさぶたがはがれた後は、痕になってのこります。
人に感染する可能性がある期間は、発疹出現1〜4日前から、発疹出現後5〜6日後までと考えられています。感染力は非常に強く、空気感染するため、全部の水疱がかさぶたになるまで、外出は一切避けるようにしてください。
合併症について
水痘は、発疹がかゆいだけの軽い病と考えられがちです。しかし、発疹から細菌が感染し重症化したり、脳炎や肺炎をおこし命を落としたりすることもあります。特に、病気などで抵抗力が弱っている人にとっては大変恐ろしい病気です。(毎年3000人が重症化し、10人ほどが亡くなっています。)
治療について
抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル)を内服します。また、かゆみ止めの塗り薬や飲み薬を使用することもあります。
予防について
水痘にはワクチンがあります。多くの合併症がある水痘ですから、罹らないように、ぜひ接種をうけて欲しいです。ワクチンは1才以上なら大人でも受けられます。
《補足》帯状疱疹について
水痘のウイルスで他の形の病気がおこることがあります。それは、「帯状疱疹」という病気です。
過去に水痘に罹った場合、治ったあとも水痘ウイルスが神経節細胞に潜み、抵抗力が落ちたときにウイルスが活性化し、神経の走行に沿って帯状に水疱ができます。ひどい神経痛や顔面神経麻痺、髄膜脳炎等、合併症が多い病気です。帯状疱疹の人が、水痘に免疫がない人にウイルスを感染せてしまうこともありますので、注意が必要です。
(千葉県小児科医会 原木 真名 医師)