こども相談室
第50回 乳児湿疹とアトピー性皮膚炎
赤ちゃんのお肌はむきたてたまごみたい?
赤ちゃんのお肌は、つるつる、すべすべが当たり前、と思っていらっしゃるお母様が多いと思います。でも、お肌= 皮膚は、体の一番外側にある臓器です。いつも、外界のいろいろな刺激にさらされています。また、ヒトの赤ちゃんは、とても未熟なまま生まれてきます。ディズニーアニメの鹿の赤ちゃんは、生まれてすぐに立ち上がって走り出しますが、ヒトの赤ちゃんは歩くまでに1年以上かかります。皮膚も未熟なので、刺激に対して弱く、赤ちゃんのお肌にはいろいろなトラブルが起こります。
乳児湿疹とは?
1 歳になる前の赤ちゃんの皮膚にできる湿疹は、すべて乳児湿疹です。頭・おでこや眉にかさぶたのようなものがこびりつく脂漏性湿疹や、赤ちゃん特有のにきび、あせも、そしてアトピー性皮膚炎もこの中に含まれます。
アトピー性皮膚炎とは?
アトピー性皮膚炎とは「かゆみのある湿疹が繰り返しできる、慢性の皮膚の病気」です。患者さんは、アトピー素因とよばれるアレルギーの病気になりやすい体質をもっていることが多いです。慢性(長く続く)かどうかは、赤ちゃんの皮膚のぶつぶつが、2か月以上くりかえしできるかどうかをみてから判断します。また、かゆみのある湿疹は、あせも、かぶれなど他の病気でも起こります。アトピー性皮膚炎かどうかは、これらを考えた上で総合的に診断をします。
受診のタイミングは?
赤ちゃんの皮膚に湿疹ができたら、まずは、石けんを泡立ててご両親の指の腹で優しく洗ってください。タオルで押さえるようにして水気を拭き取り、ワセリンなどで保湿をしてください。また、洋服のタグなど、湿疹のできている部分にこすれるものがないか、柔軟剤などを変えていないか、汗をかくようになってから悪くなっていないかなど、見直してみてください。2、3日スキンケアをしても良くならない場合には、小児科、皮膚科などを受診してください。
(千葉県小児科医会 冨板 美奈子 医師)