こども相談室
2013年03月10日
第44回 こどもの誤飲について
赤ちゃんは生後半年も過ぎると、何でも手にして口に持っていくようになりますが、食べ物とそうでないもの(異物)を区別することはできません。異物を誤って飲みこむことを誤ご飲いんといい、のどや気管に詰まらせてしまうことを誤嚥(きえん)といいます。
乳幼児でみられる誤飲
固形物(ボタン型電池、磁石、コイン、おもちゃ等)、その他(タバコ※、薬品、洗剤等)がよくみられます。症状がある場合は嘔気・嘔吐・腹痛などを認めます。 ※ タバコはそのものより、吸殻の入った(ニコチンの溶け出した)灰皿の水を飲んだ場合のほうが危険です。乳幼児でみられる誤嚥
ピーナッツが多く、その他豆類、果物、プラスチックなどがみられます。ピーナッツ誤嚥は窒息や重症肺炎の原因になり、死亡する危険すらあります。何かを飲みこんだあとに激しいむせこみや嘔吐、呼吸にゼーゼーなどの音がすることもあります。予防方法
赤ちゃんの口に入る小さなものや危険薬品を、目や手の届くところに置かないことが最も重要です。直径が32mm 以下(トイレットペーパーの芯に入る)ものは誤飲の可能性があります。ピーナッツや乾燥した豆類は乳幼児に与えないようにしましょう。自宅での応急処置
まず周囲を確認し、口の中に異物があれば取り除きます。 ◆吐かせてはいけないもの ・何を飲んだかわからない ・ボタン電池 ・コイン ・灯油/ベンジン ・マニュキュア/除光液 ・洗浄剤/漂白剤 ◆吐かせるもの ・タバコ ・ホウサン団子 ・ナフタリン ・大量の医薬品 ※タバコの吐かせ方 1.舌の奥を下に押し付ける 2.濃いぬるいお茶を作り、くりかえし飲ませては吐かせる(牛乳や水は飲ませないでください!)救急受診すべきケースについて
ボタン電池、複数の磁石、タバコ、薬品などはそのままにしておくと危険ですので、すぐに受診しましょう。固形物は現物を持参し、薬品は成分のわかるものを持参してください。 日本中毒情報センターの中毒110番(電話029-852-9999:無料)に問い合わせ、正確な応急処置を取ってください。(千葉県小児科医会 菱木 はるか 医師)