こども相談室

2015年06月10日

第53回 伝染性軟属腫(水いぼ)について

6月に入り、そろそろプール開きという園や学校も多いのではないでしょうか。 この季節になり増えてくる相談が「水いぼ」について。 「水いぼ」はうつる病気ということがよく知られているだけに、お母さん方の不安も強いようです。正しい知識で「プール遊び」を、そして「夏」を楽しみましょう!    

水いぼってどんな病気?

水いぼは伝染性軟属腫ウイルスによる感染症で、ほとんどが小学校低学年までの発症です。直径1~5mm 程度で表面に光沢があり、よくみると中央にくぼみがあります。水いぼの中にはウイルスを含んだ白いかたまりがあるため、掻きこわしてこれが周りの皮膚につくと、広がる恐れがあるので注意が必要です。    

プールに入ってもいいの?

水いぼはプールの水ではうつりませんので、プールに入ってもかまいません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますので、これらを共用することはできるだけ避けるようにしてください。 (水いぼは主に肌と肌の接触によってうつるため、じゃれ合いの多いお子さんのプールは要注意ですが、現在、皮膚科と小児科の統一見解としては、このようになっております。)    

水いぼの治療方法は?(取らなくてはいけないの?)

「ピンセットで取り除く」「液体窒素で凍結させる」「スピール膏を貼る」「イソジンを塗る」「ヨクイニンを飲む」といった治療法があります。放置していても自然に治る場合もありますが、小さなお子さんの場合には掻いて広がってしまうことも多く、また周囲にうつすことが少なからずあるため、状況によっては治療が必要です。園・学校によっては治療が義務づけられているところもあるかもしれません。判断に困ったら病院を受診してください。    

気をつけることは?

アトピーや肌の乾燥などで皮膚のバリア機能が低下していると感染しやすい傾向があるため、保湿を中心としたスキンケアが大切です。    

(千葉市立青葉病院皮膚科 根岸 麻有子 医師)